モンテッソーリ流数学教育ワークショップにいってきた

我が子の通うモンテッソーリスクールでは、ときどき保護者向けにモンテッソーリのワークショップを開いてくれる。今回のテーマは『数学』。全5回のワークショップシリーズで、先日第一回目が開催されたので参加してきた。

今回は、1歳半から3歳までの子ども向けの数。

幼児に数学とは、これいかに。早くから計算が出来る天才児を育てることかなと思うかもしれない。私も子どもが産まれたばかりのとき、数学は早くからの方がいい! と妄信してこんな本も買ってみたことがある。

赤ちゃんに算数をどう教えるか (More gentle revolution)
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現在広く使われているドッツカードはもともとこの本の著者の考案したものらしい。もちろんドッツカードを自作するのにくじけた自分はこのくもんのを買った(でも本来のドッツカードはドッツがランダムに散らばっているものなのでこれはちょっと違う)。

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さて、モンテッソーリでは、いきなり小さな子どもに数字をみせて、これは、3です、これは5です、とか、1たす1は2です、とか教えることはない。 紙の上で計算をするのはもっとずっと先で、実際のものを使ってやる。それも頭の中で「リンゴが2こ」と考えるのではなく、目の前にリンゴを2個置いて(実 際にはビーズやブロックと言った教具が多く使われるが)それを触って数えて計算する。

まぁ、計算はまだもうちょっと先。今回はそれ以前の、準備段階のお話。先生は「Indirect preparation」と言っていた。

Inderect preparation

子どもはいつから数学と出会うのか。モンテの先生曰く、産まれたときからだ。目の前に吊るされているモービルが揺れる、そのモービルまでの距離を目で見ている。殿くらい手を伸ばしたら触れるのか、どれくらいの大きさか、いくつあるのか。

ハイハイをはじめたら、目的地までどれくらいなのか距離を目測している。ご飯が多いとか少ないとかをみている。家に人がたくさん居るとか、ママしかいないとか。いろんな場面で数に触れている。

自分で体をうまくコントロールできるようになってきたら、モンテッソーリではいろんな「日常生活の練習」をする。スプーンでお豆をうつすとか、コッ プに水をつぐ、とか。これらは手首などの関節や筋肉の発達を促すだけでなく、コップに水をつぐときには、決まった量だけ注げるように目測し、それにあわせ て手首を使って調節する。これも数学を理解する上での準備だと言う。

家庭で出来る数への取り組み

この準備段階のことは家庭でかなりのことが出来る。モンテッソーリの教具は必要ない。学校の先生曰く「出来れば家庭で、学校にあるのと同じモンテッ ソーリの教具は買わないでほしい。正しいプレゼンテーションなしに教具を使い始めてわかったつもりになって、学校に来たら、もうこれやった、しってる、と いってやらなくなることもある」と。

例えば、台所で。リンゴを8つに切る。あなたにはひとつ、ママにはふたつ、パパにはみっつ。そういう会話を何度も何度も日常の中でする。

或はペアリングやグルーピング。ボタンとか、何かの種でもいい。テーブルに出して、2つずつの塊にして並べる。ふたつ、ふたつ、ふたつ、と言いながらやる。

或はグラデーション。大きさの違ったボタンをいくつか出して、いちばんおおきいのをさして「これが一番大きいね。次に大きいのはどれかな?」「一番小さいのはどれかな?」なんていうゲームをやる。

これらには出来れば魅力的なもの、子どもがつい触りたくなるようなもの、いい音がするものを使う。

子どもは数を数え間違うが、そのときに「ちがうよ、5の次は6だよ」なんて野暮なことは言わない。生活の中で何度も何度も正しい数を親が言っているとそのうちちゃんと数えられるようになる。

数学に関するモンテッソーリ教具

モンテッソーリスクールで使われるモンテッソーリ教具は、ひとつのことに対して段階を踏んで理解していくように設計されている。

数学の準備段階の場合は

  1. 数字
  2. 数字と量をマッチングさせる

というステップを踏む。

一番最初にボタンやブロックを使って数を数えているときも、3だったら3つのボタンをバラバラにおくのではなく、ひとつの塊、量として理解できるようにまとめておく。モンテッソーリの正式な教具でも、そうなっている。

たとえば赤い棒。長さの違う10本の棒だ。これを長い方から順番に並べ、量の違いを体感的に習得する。子どもは、1は小さくて、10は大きい、というコンセプトを体で吸収する。

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量の教具のあとに、ようやく『数字』が登場する。今までは数を口で言って、量を体で感じてきたが、数字、という文字そのものには触れていない。ここでは数字そのものを紹介する。

量と数をマッチングする

数字の下に、バラバラのものを並べたり、バラバラの棒を輪ゴムでまとめていれたりしながら、数字と量をマッチングさせていく。

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この教具の場合は、もっと進んだ段階で奇数と偶数の感覚も教えられる。先生がこの教具をプレゼンテーションしてくれたが、その所作が美しい。私は子 どもの役で、先生がいくつかやったあとに「やってみる?」と言われたので、先生の所作を真似てやってみた。自然と真似したくなる美しい所作なのだ。数字の カードいちまいいちまいの間は指一本空ける。青いタブレットを置くときも、ひとつずつ静かに置いて、それをふたつずつ指ですぅーっと流れるように置いてい く。さいごに、指ですっと、タブレットの間をなでおろし、奇数の場合は真ん中にあるひとつのタブレットで止まる。最初は先生はそれが奇数とか偶数とか言わ ない。子どもはその所作、交互に指が止まることをみる。

モンテッソーリは教具だけでなく、所作も美しいのだなぁ。

1時間半のワークショップだったが、何よりも先生の美しい所作のプレゼンテーションに触れられたのが一番の刺激だった。

我が子は1時間半の間、普段はあまりたちいらないこどもの家(我が子はまだ小さいので3歳児までのクラスに居る)の教具に夢中で、ひとりでいろんな教具を出して、作業して、片付けて、を繰り返し、1時間半ほとんどひとりで作業をしていた。

家で出来るモンテ教具についてはこの本がオススメ。

ひとりで、できた!―子どもは手を使いながら一人立ちする
池田 政純 池田 則子
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そもそも、モンテッソーリって何? って言う人はこれがいい。一番コアのところがわかりやすく伝わってくる。

日本のモンテッソーリ関係の本って、日常生活の練習や、感覚教具についてはけっこう紹介されているのだが、数学、科学、植物学あたりの紹介がずいぶん少ないので、こうして数学に関するワークショップに参加できて非常に有意義でした。

もちろん次回も行くよ。

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