モンテッソーリの言語教育ワークショップ二日目。
今日は実際の教具のデモンストレーションも含めて、2時間にもわたる濃い内容だった。その中で特に印象に残ったのは2つ。
- 代名詞を多用しない
- 間違いを正さない
代名詞を多用しない
あれ、これ、それ、そっち、あっち… いかに自分がこれらを多用しているのかに気づかされた。何かを説明するときに「これをこーやって、ここにとおして、それからこっちのをあっちにやって、こうやるの」みたいな説明をしていることがあるが、これって全く説明になっていない。
じゃぁどうやって説明するのかと言うと、必要なものの名前をすべて提示し、それらをつかって説明する。
これって何度も本で読んでいたことなのに、日常生活ではいつも代名詞に頼っている自分がいる。おかげで我が子も「あれあれ!」ばかりである。反省。
例えばチャックの閉め方。チャックって、チャックの持つほう、差し込む小さなチップのついたほう、チャックの歯のかみ合う部分、などがあるのだけれど、先生はそれぞれのパーツに対しきちんと名前を言って提示して説明していた。日本語で私名前知らない… orz
間違いを正さない
これもモンテッソーリ的には基本中の基本なのだけれど、私が全くできていないこと。目の前で子供が間違ったときに、たださないでいるってすごい忍耐力がいる。
今日のワークショップでは、Movable Alphabetのデモンストレーションをしてくれた。
ムーバブルアルファベットは、木でできたアルファベット。こんなかんじの。
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学校のものは基本ブルーで母音だけ赤になっていた。この教具で、既にアルファベットの音を知っている子供が初めて、音と文字をマッチさせて言葉を作る。ちなみに、モンテッソーリではアルファベットを「エービーシー」とは教えない。だって、Aって「エー」っていうおとではないし。Bだって「ビー」ではない。だから子供には最初に音を教える。
今日は保護者のひとりが子供役になって先生がデモンストレーションしてくれた。
- 先生:あなたの好きな動物はなに?
- 子役:cat
- 先生:じゃあ、catってつくってみて。c-a-t(日本語で書くと「くーあーとぅっ」みたいに文字1つ1つの音を明確に言う)。
- 子役:くー、くー、くーっ、これ。あー、あー、これ。とぅー、とぅー、これっ! cat!
こんなかんじだ。ただ、cとkは音としては同じなので、子供によってはcatをkatと作るかもしれない。でもそれを先生はたださない。ここでほかの保護者から質問が出た。ここでたださなかったら、子供は間違ったまま覚えてしまうのではないか? 子供はいつどうやって正しいスペルを知るのか?
先生曰く様々な経験から、子供自身が自ら気づくのだそうだ。例えば数週間後に本を読んでいたらCATというのが出てきた。そのとき子供は数週間前のMovable alphabetでつくったKATはCATが正しいんだ、と気づく。その場で大人がこれは違う、と言ってしまうのではなく、子供自身がエラーを見つける余地を残しておく。そして自分で理解したときには、とても大きな満足感をえられる。
深い。
親ががんばって自分を抑えてあれこれ手や口を出さないというのがとっても重要なんだなぁ、と、あらためて。明日から、間違いを正さない、代名詞を多用しない、を気をつけよう。