『子は親を救うために「心の病」になる』を読んだ

子は親を救うために「心の病」になる
高橋 和巳
筑摩書房
売り上げランキング: 162,900

読んでいて涙が出てきた。

精神科医でカウンセリングを専門にしている著者のことばが、じわじわとしみ込んでくる。

見出しをいくつか。

  • 息子は親を救うために引きこもった
  • 反抗期の激しさは、親が教えた「心の矛盾」に比例する
  • 親の辛い生き方が子を苦しめる
  • 親の生き方に修正を迫る思春期の「心の病」
  • ママの苦しみをとって
  • お母さんは自分を生きていない、お祖母ちゃんを生きている
  • 言ってほしかった言葉は「ごめんね」ではなく「ありがとう」
  • 母親と一緒に痛き奥がないのは我慢していたから
  • 虐待されて育った子は「善と悪が逆」になっている
  • 親とのつながりを持てないと世界は希薄化する

子どもは親に幸せになってもらいたいという思いで生きている。それは私自身が娘をみていて日々感じている。娘は、私が笑顔でいること、私が幸せであることが、彼女の幸せであると言う。たった3歳のちいさなその全身から、私の幸せを願っているものすごいエネルギーが感じられる。

それに比べていかに自分は利己的かと思う。自分の幸せを考えている。娘は自分の幸せなんて考えずに、親である私の幸せだけを望んでいるというのに。

私が悲しそうな顔をしていると、変な顔をして笑わせようとする。何かにぶつかって痛いと言うと飛んできて抱きしめて、いたいのいたいのとんでけ! としてくれる。

とても優しい愛にあふれた娘だけれど、もしかして私は彼女にいろんな我慢を強いているんではないかと不安になる。彼女は私のことを心配しているばかり、いつか爆発するのではないか。

本書に、思春期に荒れる子どもとその親の例がいくつか出てくる。著者は親と面談し、親のカウンセリングをする。そうすると、子どもの暴力がとまる。なぜならば問題の本質は親のほうにあるからだ。子どもは親自身が抱える苦しみに気づき癒してほしいから、気づかせるために暴力に訴える。これだけ言ってもわからないの? 叩かないとわからないの? 叩きたくない、叩かせないで、でもそうしないとわかってくれない。

甘えることを知らずに大人になった母親が、心の底では甘えたいと思っていながら、甘えることを許せない自分がいる。いい子の息子を褒めることで、いい子であることを押し付けてきた。それが思春期になって甘えはじめた息子、暴力も甘えからきている。それが許せない。でも母親は「甘える息子が許せない」ということに気づいていなかった。

私も自分自身にいろんな葛藤がある。頭ではわかっていても、自分が専業主婦であることが心の底では許せなくて、自己否定感に常に苛まれている。他人が専業主婦でもなんとも思わないのに、自分だと許せない。自分に怒り、自分を非難している母親というのに、娘はもしかしたら気づいているかもしれない。具体的な何かがわかっていなくても、私の中に葛藤や苦しみがあることに、彼女はおそらく気づいている。私が今これを解決しないと、きっといつか、思春期くらいに大変なことになるんじゃないかと不安だ。

私自身、思春期は地獄だった。あんなこともう二度とやりたくない。よく人も自分も殺さずに思春期を生き延びたと思う。でもまたあれをやらなきゃいけなくなったら、それも親の側でやることになったら、生き延びられるかどうかわからない。

カウンセリングを受けたいという気持ちはずっとずっと前からあるけれど、一回15000円のセッションを毎週受けるとかはとても無理だ。でも今なんとかしないといつか大変なことになる。いつも思うけれど、社会復帰のためにカウンセリングが必要な人のうちのある程度の割合の人はきっと無職だったりあまり収入がなかったりで、だからこそカウンセリングが必要なのだけれど払えないから受けられない、という葛藤にあるんじゃないかと思う。出世払いみたいなのができればいいのにな…

愛着障害 子ども時代を引きずる人々 (光文社新書)
岡田 尊司
光文社 (2011-09-16)
売り上げランキング: 840

愛着障害 子ども時代を引きずる人々 (光文社新書)も私に多くの気づきを与えてくれた素晴らしい書。これらの本、それから他のいろんな本に書かれていることは、つまり「親とこの間の愛着」のこと。

人間が生きていく上で、親との関係は本当に本当に大事なものなんだ。自分が子どもだった頃、親が嫌いで仕方がなかったけれど、親元を離れてひとりで生きていくようになれば全て解決すると思っていた。でも、何も解決していない。ずっとその呪縛に苦しんでいる。娘は私を救うためにこの世にきたのかもしれない、と私自身感じている。助けて、救って、と思っているわけではないけれど、どこか心の奥底で私は娘に甘えているのかもしれない。上記2冊とも良書、おすすめです。

親であるって難しい。

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