絵本

おおきな木

おおきな木

おおきな木

posted with amazlet at 16.10.20
シェル・シルヴァスタイン Shel Silverstein
あすなろ書房
売り上げランキング: 5,364

「おおきな木」という本あります。これはどちらかというと大人向けの絵本じゃないかな、と思うのですが、娘の本棚に入れてあります。ちなみに私が持っているのはスペイン語版です。

泣けます、この本。感動する、いい話だっていうんじゃないんです、悲しいんです。泣けてきます。愛情のすれ違いっぷりに辛くなります。

先日、娘がこの本を読んで、と言って持ってきました。

うちの子のスペイン語力は、Manzanaってなに? Esconditeってなに? ってきくと単語の意味はわかっていたりするのですが、この本を読んでもらってちゃんと理解できるレベルではありません。そんなわけで「にほんごでよんで」となり、大雑把直訳日本語読み聞かせをしました。

私の肩にもたれて静かにしているので、ねちゃったかな? と思って横をみると、娘のほおに一筋の涙が。

この本を読んだのは初めてではなくて、ずいぶん前に何度か読んで私が泣きそうになっているのは知っていましたが、この話を理解して涙を流す、というのが5歳にもおこることなのか、と驚きました。どういう理解をしてどうして泣いていたのか、本人は説明できないようでした。

愛ってなんでしょうね。

子どもに第三者の視点が目覚めるとき「わたし」

わたし (かがくのとも傑作集―わくわくにんげん)

谷川俊太郎の『わたし (かがくのとも傑作集―わくわくにんげん)』という本がいい。

すごくシンプルに「わたし」を第三者の視点から見るとなんなのかが書いてある。

わたし おかあさんからみると むすめのみちこ

わたし おもちゃやさんへいくと おきゃくさん

て言う具合に。

人間赤子の頃は、自分と他人が別の人間であるということが理解できないらしい。じぶん=お母さんだし、自分の物と人の物が区別できない。

それが2歳くらいの「イヤイヤ期」になると、自我が芽生え、どうやら自分とお母さんはちがうらしいぞ、と薄々感づき始めるらしい。

うちのちいさい人は3歳。

この本は、自分という存在を第三者視点で見る練習にもなるらしい。みちこ、を娘の名に置き換えて、○○からみると? と聞くと、さくっと答えたり、ときどきはうーん、と考えながら答える。

自分を客観的に見る能力というのは、人生ずーっと大切で必要な能力だろうとおもう。それがこんなにちいさい時期に開花するのかとおもうと、人間の成長とは実に興味深い。

「あさえとちいさいいもうと」ごっこ

2歳8か月の娘は最近、お芝居をする。

ストーリーは自作だったり、絵本の筋書きだったりさまざまだが、ずいぶんと絵本のストーリーを覚え込んでいるのだなぁと感心する。自分が登場人物になりきって、お気に入りのシーンを何度も何度も演じる。私にも共演を強いる。

この2、3日よく登場するのが「あさえとちいさいいもうと (こどものとも傑作集)」だ。

あさえとちいさいいもうと (こどものとも傑作集)
筒井 頼子
福音館書店
売り上げランキング: 8,139

ストーリーは、あさえが家の前で遊んでいるとお母さんが出てきて「銀行いってくるからお留守番お願いね」といってしまう。家には小さい妹が寝てい る。お母さんの留守中に妹が起きてきて一緒に遊ぶが、気づくといなくなっている。あさえは必死で探しまわり、さいごは公園の砂場であそんでいるいもうとを みつける、というもの。

子どもだけおいて出かけるとかどうなのとか、家鍵かけなくていいのか、とか、なんか余計なことを心配してしまうが、あさえがすごく心配してどきどきひやひやしているのがとても良く描かれている良書です。

このなかの「おかあさんが銀行へ行く」「妹が公園の砂場にしゃがんでいる」というシーンがお気に入りらしく、自分がお母さんになって銀行へ行ったか と思うと、妹になって砂場にしゃがみ込み「すなばにしゃがんじゃお。〇〇ちゃんってないてください! さがしてください!」と言う。

そこで私が「〇〇ちゃん! あっ! 砂場にいた! と、そこで〇〇ちゃんはすなだらけの手をあげました(ナレーション)」というと嬉しそうに手をこちらに見せる。そのあと私がぎゅーっと抱っこしておしまい。

これを何度も何度も何度も何度もやる。

夕べは「むしさんごっこ』だった。自分が虫になって台所に転がっているから「すぷれーでしゅーして、ほうきでたたいて、あんよでふんで!」とかいい はじめる。それをやっちゃ虐待なので、「あっ、むしさんがいる、きゃーこわい、どうしようどうしよう、こわいけどがんばってつかまえるぞ、えいっ!」と 抱っこしておしまい。

これも何度も何度も何度も何度もやる。

子どもが飽きっぽいとか嘘だ。大人の方がよっぽど飽きっぽい。

他のお芝居の題材はこのへん。

はじめてのおつかい(こどものとも傑作集)
筒井 頼子
福音館書店
売り上げランキング: 2,761
おでかけのまえに (福音館の幼児絵本)
筒井 頼子
福音館書店
売り上げランキング: 5,428

ところで、こういうお芝居のように、想像上の世界を遊ぶようになるというのは、ずいぶんと発達したもんだなあ、と感慨深い。目の前にない世界、でも自分の頭の中にある世界の中で、実際に存在する体を使って遊ぶ。ごっこあそびって、不思議なもんだなぁ。

成長記録。

昭和の香りたっぷりの良書 – おふろやさん

裸の幼女が裸の男性がいっぱいの場所へ連れ込まれるお話です。最近お気に入りの良書。

おふろやさん (こどものとも傑作集)
西村 繁男
福音館書店
売り上げランキング: 26,025

 あっちゃんがお父さんとお母さんと赤ちゃんといっしょにお風呂屋さんへいくお話。文字は最初のページにしかありません。数行です。でも、本全体を通して言葉に溢れています。

絵はほのぼのしていながら、詳細にわたって昭和の雰囲気を惜しみなく伝えるすばらしいものです。

お風呂屋さんの入り口で女湯男湯別れて「またあとでねー」をして、あっちゃんはお父さんと一緒に男湯へいきます。

お 風呂屋さんにはいると、靴をぬいでロッカーにいれ、番台でお金を払います。脱衣所にはお友達もいました。足の悪いお父さんをおぶってきた息子さんとか、脱 衣所の隅の喫煙所(!)で足袋をはきながら雑談するおじさんもいます。お風呂で泳いではしゃいでおじいさんに「こらー!」と怒られる少年たちや、石鹸を忘 れて「こりゃどうも」と人から借りる人。入れ墨だらけのおじさんの方を見てにやにやする少年たち。壁越しに「そろそろ上がるわよー」というお母さん。

お風呂屋さんの前で待っている女性。出てきた男性。入り口のそばには焼き芋屋さん。お風呂をでたら空が暗くなっていました。

文字はなくとも、そこで交わされている言葉が見えるんです。時間の経過も見え、空気の匂いも感じるみたい。あったかいほのぼのした良書です。

煙 草吸っている人や入れ墨の人、男湯に女の子がいることや、おちんちんもおっぱいもみんな描かれていること。まぁ、昭和的日本文化に理解のない人とか、どこ かの国の人から見たら「What?」な内容ではあります。だって父親が自分の娘をお風呂に入れたら虐待になって娘が施設に入れられちゃうのが普通の国に とっては、こりゃもうポルノの域でしょう。多数の裸の成人男子のなかに裸の幼女をなげこむわけですからね….

繰り返しますが、良書です。おすすめします。

仕様詰めの甘さが招く悲劇のお話 – ふくろうのそめものや

最近の我が子のお気に入りの絵本はこれ。

ふくろうのそめものや (あかちゃんのむかしむかし)
松谷 みよ子
童心社
売り上げランキング: 283,001

昔カラスは真っ白でした。他のとりはみんな奇麗でびっくり、どうしたらいいのか聞いたら、ふくろうが染物屋をやっていると。そこでカラスはふくろうに染めてくれるようにたのみに行く。ふくろうが染めたものがカラスは気に入らず、文句を言って修正させるがそれでも気に入らないのくりかえし。ふくろうは怒って染料を全部ぶちまけたらまっくろのカラスが出来ました。

という、とても悲劇的なプロジェクトのお話。

カラスはまず、自分がどういう風なものになりたいのかというイメージすら伝えずに、また相手からの提案を求めることなくとにかく染められる。確かにデザインを発注するときに、自分では出来なから頼むわけで、デザイナーにおまかせ、としたくなる心理はよくわかる。美容室で髪を切るときだって、スタイリストさんお任せー! なんて言いたくなる、私も。

ふくろうはこれを職業としている以上、まずはからすに、どんな感じがいいのか聞いてみるべきだった。実際の作業に入る前に、ある程度のイメージの擦り合わせをしておくべき。とはいえ、職人気質で営業が苦手、俺の作るもんが気に入らないなら買わなくてよいというタイプだとこれは難しい。

この悲劇は双方のこのプロジェクトに対する関わり方が他力本願だったというのが原因ではないか。一緒にいいものを作ろうとしていたのではなく、相手がうまくやってくれるだろう、まぁ、納得するだろう、といった態度でいたことではないか。

でも、四十雀やカワセミを染める腕前のあるふくろうにしては、からすの染め方はかなりやっつけ仕事感が否めない。最初からやる気がないのに受注したのだろうな。

はぁ、こう言う仕事って難しいよなぁ〜…

娘は母の頭の中でこう言うことが渦巻いているとはたぶん気づいていません。

外堀を固め責任を回避するために最終判断を誘導するともだちの絵本

子どもに読み聞かせをしていて、読みたくないなぁ、この本あんまり好きじゃないなぁ、というのがときどきある。以前書いた、コミュニティに迎合する為に身体を切り売りして友人を買収して幸せになるお話の絵本 – Erendira’s blogはもう本棚から撤去して片付けてしまった。ほかにもなんだか引っかかる絵本がけっこうあるのだ。

例えばこれ。

くろくんとふしぎなともだち (絵本・こどものひろば)
なかやみわ
童心社
売り上げランキング: 5,422

これもまた頂き物なので、それを悪く書くのは気がひけるが、どうももやもやする絵本だ。

ス トーリーは、くれよんのくろくんがひとりで散歩に行くと、出先でバスくんとかふねくんとかに出会い毎日楽しく遊んでいる。くろくんの頭の減り具合に気づい た他のクレヨンたちが、くろくんどこいってるの、つれてってー、となり、みんなでぞろぞろ遊びにいく。そしたらこんどは新幹線がいた。そしてみんなが「く ろくん、新幹線くんに走ってってたのんで!」とプッシュ。くろくんは言われた通りに新幹線くんに聞いてみる、が、新幹線くんはじぶんは速すぎて危ないか ら、といって断る。それをきいてみんなは「えー、つまんなーい!」といって魅力的な街を描き新幹線くんはうずうず。さらにみんなは「くろくん線路かいて よー」。くろくんは「ダメって言われたじゃん」と断るものの、「くろくんだってみたいんだろ?」と口々にいわれ、だんだんことわりきれなくなって線路を描 く。線路をみたらそりゃー新幹線は我慢できないで走り出す。案の定スピードが出過ぎて新幹線は脱線。そこでほかのくれよんたちは「どうするのー? しらな いよ!」と喧嘩を始める。そこで脱線した新幹線くんがぐにゃぐにゃになって、ぼくは実はねんどでしたー、みんな喧嘩はやめてねー、という。みんなねんどく んに謝り、ねんどくんはトロッコ列車になってみんなを乗せてはしりましたとさ、めでたしめでたし。

まず、タイトルが「くろくんとふしぎなともだち」というのだが、このお話から、くろくんとその他のみんなが友達のようには見えない。たぶん友達じゃない。が、くろくんはそれを苦にすることなく自分で冒険に行って新しい友達をつくった。

ほかのくれよんたちは、くろくんが楽しそうにしていると言ってくっついてきて、新幹線が居るから、走ってみろと言えとくろくんに頼む。ここでわたしはつっこんだ。「そんなの自分で頼めよ」。

く ろくんは、なんというか、パシリっぽい。くろくんはいろいろ頼まれて断りきれずにレールを描いたり、ねんどくんに頼み事をしたりするが、他のくれよんはく ろくんに一言もお礼を言わない。くろくんが自分の意志で楽しく過ごしていたのは、みんながついてくる以前の、ひとりで散歩に行っていたときだけだ。そんな 友達もどきなら居ないほうがいいんじゃ…?

また、くろくん以外のクレヨンたちは、くろくん、そして新幹線くんがそうせざるを得ないような状況を作り出しておきながら問題が起きたらしらんぷりをする。この外堀を固めておきながら最終責任をくろくんに押し付けるような態度がどうももやもやする。

さ らに、けんかはやめてねー、というねんどくんの優しい声がけにたいし、みんなは、ねんどくんに謝る。それは違うんじゃ….? ねんどくんに「喧嘩して ごめんなさい」と謝っているだけで、お互いに(特にくろくんに対し)暴言を吐き責任を押し付け合ったことについては謝ってない。お店で喧嘩した客同士が、 お店に迷惑をかけた謝罪をしただけで、当事者同士は何も解決してないって言う感じ。

さいごにねんどくんがうまくまとめてくれたからいいけれど、それでもやっぱり、くろくんとその他のクレヨンたちの間にあるのは友情とは言えないんじゃないかという気持ちが拭えない。

まあ、世の中にはこういう風に外堀を固め、責任を回避するために相手に選択を迫るようなやり方をする人もたくさん居るし、それが大人のやり方だったりすることもあるだろう。でも、子どもにはそれはまだみせたくないと思ってしまう。

なんだろうこのもやもや。これを子どもに読んでやって何が伝わるだろう?

これも本棚から消えました、ごめんなさい。もう少し大きくなってもう一度出したらいいかなぁ? とも思う。このときくろくんはどんなきもちかなぁ? って考える題材にはいいかもしれない。

レモンは赤くない – 素敵なトリックのある色の絵本 Los Limones No Son Rojos

久々絵本レビュー。

我が子が産まれて数ヶ月の頃、はじめていただいた絵本。

これがとんでもなく素敵な、すばらしい絵本なのです。プレゼントしてくれた友人と一緒に興奮気味にぺらぺらページをめくりました。

スペイン語版ですが、書いてあることは、「レモンは赤くない、レモンは黄色、赤いのは…」といろんな色のことが書いてあるだけの、シンプルな構成。でも、ページにトリックがあるのです。

表紙をみていただくとわかるのですが「レモンは赤くない」なんてタイトルなのに、赤いレモンがかいてあるやんけ! と思うでしょう。このレモンの部分は穴になっていて、穴を通して次のページの色が見えているだけなのです。ページをめくると、左ページにきたレモンの形の穴を通して後ろのページの黄色が見えるのです。あっ、本当にレモン赤くなかった、黄色だった、って思うのです。

って、言葉で書いてもきっと伝わらないのですが、とにかくとってもとっても素敵な絵本なのです、宝物。

既に娘に散々びりびりにされてしまいましたが、テープで補修して大切に読んでる。紙は普通に薄いもので、ボードブック等ではありません。1歳くらいだとあっという間にびりびりになるかもしれない(なんせページに穴が空いているので指を引っかけてびりってやりたくなるみたい)。

調べてみたら英語版もあるみたい。

Lemons Are Not Red
Lemons Are Not Red

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Laura Vaccaro Seeger
Roaring Brook Press
売り上げランキング: 1,870

日本語のは見つけられなかった。

おすすめ!

ロバの背中の移動本棚 Biblioburro

我が子のために買ったというより、自分のために買った絵本。

Biblioburro: A True Story from Colombia
Beach Lane Books (2011-06-28)

 まず、絵がとても鮮やかで美しい。コロンビアのお話なので、コロンビアらしい色鮮やかな花、鳥、ヘビ、蝶、そして山、川などが、奇麗な色で描かれている。

そして、絵もさることながら、このお話自体がとても好きなのだ。

これは、コロンビアで実際にあった(というか現在進行形)のお話。

本 の好きなルイスさんという人が、家に本が溜まりすぎて奥さんに文句を言われる。さぁどうしようかと考えて思いついたのが、遠くの田舎へ本をもっていって、 本に触れるチャンスのすくない子どもたちと本をシェアすること。ルイスさんは早速ロバを二頭買い、本棚を作って本を担いで旅に出る。途中で強盗に襲われた りしながらも、目的地について、子どもたち日本を読聞かせて、一人一冊ずつかしてやる。

童話でもなんでもなくて、現実に誰かがやっているプロジェクトを絵本にしたお話。

私は本をシェアすると言う考えがものすごく好きで(そういうサービス作れないかなーとか思っていたこともあった)、本好きの人が実際それをやっているというこのお話にぐっとひかれた。それも、ロバの背中に本棚、というスタイルがかっこ良すぎる。

wikipedia先生にもBiblioburroのページがあった。

これによるとBiblioburroは現在も継続中。

ブログもあったけれど、最終更新2009年。写真もアップされてるので、ルイスさんのお顔も拝めます。

あー、コロンビアいきたい!

“No”と言わない本、NO

No
No

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Claudia Rueda
LAPIS

冬 が近づいてきて、母熊が、そろそろ冬眠しなきゃね、と言うと、子グマは「やだー! もっとあそぶー!」。雪が降るよ、食べ物もなくなっちゃうよ、といって も、子グマは「雪だいすき、嵐も楽しそうじゃん!」なんていってひとりで遊びにいってしまう。母熊は何も言わず、止めもしない。子グマはひとりで遊んでい るうちに、だんだん雪がひどくなって、ママ! と叫びながら母のもとへ。そして「ママひとりじゃさみしいでしょ、つきあってあげるよ」なんて言いながら二 人で冬眠に入るお話。

あったかいお話で、我が子はいつも「Mamá!!!!」のところで一緒に絶叫。

この母熊のすばらしいところは、子どもに対して「No」を全く言わないところ。本のタイトルである「No」は、子どもが言っている言葉。

No、私も言わないように、言わないように、と思っているけれど言ってしまう。もしこれと同じ状況になったら絶対に言っている。

そんなこと言ったって寒いし風邪ひいたら困る、ダメ! って絶対言っている。

そういったら子どもは「やだー! もっと遊ぶぅ〜! ぎゃああああああーーーん!」ってなるのも確実。Noを言わない方が絶対にいい結果になるのがわかっているのに、言ってしまう。これってどうしてなのか。

むずかしい。

一日に何回Noを言っているか、客観的に数えてみたいくらいだ。そしたらきっと言い過ぎている自分に愕然とするんだろう。

ちなみにこの本は日本語訳もあるみたいで、こちらのタイトルは「やだよ」。

やだよ
やだよ

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クラウディア ルエダ
西村書店
売り上げランキング: 599,715

日本語版は読んでいないけれど、スペイン語版はとても素敵な本でした。今夜久しぶりに読むかな。

 

ファンタジーじゃない子どもの本を探している

子どもの本ってファンタジーが多い。ウサギやクマが二足歩行をして、言葉をしゃべる。豚が人間みたいに帽子をかぶって服を着ているけれどお尻は丸出し、やっぱり二足歩行。ファンタジーが悪いわけではないけれど、我が子はまだ二歳。現実的なものをもっと知ってから、ファンタジーの世界に入ってほしい。

しかし、幼児用のファンタジーじゃない本ってなかなかない。言葉や色や形の絵本で、リンゴの絵の横にリンゴ、ってかいてあるようなのはある。でも、物語性があって、現実的で、美しい本ってあんまり出会えていない。

Alfie’sシリーズはお気に入り。ちゃんとストーリー性があって、アルフィーくんとその家族とその暮らす社会の雰囲気がふんわりと伝わってくるが、どこにもファンタジーな要素がない。

Alphie's Alphabet (Alfie)
Alphie’s Alphabet (Alfie)

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Shirley Hughes
Red Fox (2013-03-18)
Alphie's Numbers (Alfie)
Alphie’s Numbers (Alfie)

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Shirley Hughes
Red Fox (2013-03-18)

こういうの、日本語の本でないかなー。

出来れば絵は美しいながらも正確で、極端なデフォルメやファンタジーの要素はないもの。

気になっているのはこのへん。娘の学校で現地語と日本語のバイリンガル本になっているのをみてすごくいいな、と思ったので調べたら色々あった。

はこねのやまの とざんでんしゃ (かがくのとも傑作集 わくわくにんげん)
横溝 英一
福音館書店
売り上げランキング: 764,392
ブルートレインほくとせい (のりものえほん)
関根 栄一
小峰書店
売り上げランキング: 208,821

ファンタジーじゃない子どもの本、探してます。

Alfie’s Alphabet & Numbers ファンタジーじゃないのがいい

Alfie's Alphabet
Alfie’s Alphabet

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Shirley Hughes
Random House UK
売り上げランキング: 1,780,297

近頃娘が気に入っている本。2歳2ヶ月。

時々行く本屋でたまたま見つけたのだけれど、期待以上に気に入っている様子。

娘 には日本語をきちんと話してもらいたいので、私は基本的に日本語でしか話しかけないようにしていた。多言語教育の原則として、この人はこの言葉、という マッチングが大切だと以前に読んだことがあったのでなおさら。しかし、ここ最近、私が英語で話しかける必要性もひしひしと感じてきた。

娘の学校はなんだかもう本当にいろんな国籍の子がいて(18国籍くらいときいた)、メインの先生は英語ネイティブ(もしくはネイティブに準ずる)、クラスルームアシスタントは英語と現地語半々くらいでしゃべる。

そんなわけで、私は『英語と現地語は学校で覚えてくるから家では日本語を徹底しよう』と最初は思っていた。英語で話すのが多少遅れてもいつかは話すさ、と気楽に考えていた。

が、 最近娘は、他の子のものを奪ったり、貸さなかったりして喧嘩になったりすることが増えた。日本語では「○○を貸してください」「ありがとう」「じゅんば ん」などときちんと言えるが、それに匹敵する英語がでてこないので、むりやり奪ったり、手をだしたりするらしい。時々、言葉の通じない相手に日本語で一生 懸命「かしてください、かしてください」とお願いしている娘を見て、なんだか申し訳なく悲しくなってきたので、そういう必要のある言葉は家でも使うように した。

そんなわけで、アルファベットの本を買ってみた。

AはAlfieのA、それから妹のAnnieのA。Bはベッドタイ ム、それからブランケット。といった具合に、Alfieくんの生活している姿を描いた素敵な絵と一緒にABCが紹介されている。Alfieくんとその家族 がなんだかとても素敵な雰囲気なのがよい。兄妹、家族、ご近所様、公園、おばあちゃん、そいういこどもの周りにある環境が描かれていて、ストーリーや人間 関係を想像しながら読むのも楽しい。

AはappleのA、みたいにオブジェクトとアルファベットが書かれているものよりずっと、言葉が実感として伝わってくるんじゃないかなぁ、と感じている。

それから、2歳くらいの年齢は、ファンタジーではなく現実にあるものについて知識を深めるべきな時期らしい。しかし、こども向けの絵本はファンタジーが多く、動物が二本足で歩いていたり、しゃべっていたり、洋服を着ていたり。この本は、そういうのがいっさいないのがよい。

シリーズ物で数字の本も買った。

Alphie's Numbers (Alfie)
Alphie’s Numbers (Alfie)

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Shirley Hughes
Red Fox (2013-03-18)

こちらも同じようなかんじで、シーソーするには2人ひつようだね。AlfieとAnnieの靴があるよ、2ペア。全部で4足、と言った具合に、ひとつひとつの絵にストーリーがある。

家族の絵などを見て、これママ、これパパ、これわたし! なんて言いながら数を数えたりする。

他にも色々あるようなので、ちょこちょこ買い足していきたい。

コミュニティに迎合する為に身体を切り売りして友人を買収して幸せになるお話の絵本

にじいろのさかな (世界の絵本)
マーカス・フィスター
講談社
売り上げランキング: 14,417

以前、娘へのプレゼントとしていただいた本。とても奇麗な絵とキラキラ光るそのうろこに、こどもは飛びつくに違いない。

しかし、せがまれるままに読んでみること数回、どうしても違和感を感じずにはいられない。この本を娘に読み続けたいかと自問するとNOという答えが出る。ついに、押し入れにしまい込んだ(せがまれないように)。

ストーリーを簡単に書くと…

にじうおと呼ばれるキラキラ光る美しい鱗をもった魚がいた。まわりの魚たちはそのキラキラ光る鱗をうらやんでいた。一匹の魚が「奇麗な鱗ちょうだ い」ってくる。でもにじうおはあげないで得意げに泳いでいく。その噂が広まって、海じゅうの魚たちからにじうおは無視される。ちやほやされなくなったにじ うおは悲しくてタコに相談に行く。

私はこの先、それぞれの魚はそれぞれ美しさがあるのだ、という話に落ち着くのかと期待していたが違った。

その後、にじうおはタコのアドバイスに基づいて、自分のキラキラの鱗をいちまいいちまい、他の魚にあげていく。周りの魚はどんどん貰いにくる。とうとう最後にはにじうおのきらきらの鱗は一枚だけ残り、にじうおはそれでもハッピーになった、というお話だった。

これって、友人をもの(しかも自分の身体の一部)で買収している話じゃないか。そしてハッピーになった理由は自分がポピュラーになったから。でもそ の時点で自分の持っていた美しい物はなくなり、じぶんも他の魚もみんな同じになっている。お話はポピュラーになってハッピーになった時点で終わっている が、このあともうあげるもののなくなったにじうおは、きっとまたハブられるか、少なくともどうやって他者と関係を築いていけばいいのかわからずに苦悶する に違いない。買収以外の方法で友達を作ったことがないのだから。

にじうおの当初の高飛車な態度はもちろん問題ありだと思うが、それよりも集団で無視するとか、誰かが一枚貰えたからと言って、わらわらとおこぼれに ありついてほとんど身ぐるみはがすようにしてきらきらの鱗を持っていく集団とか、そっちの方がどうなの、とおもう。にじうおはそのコミュニティに同化し迎 合する為に、自分の鱗を対価として払っている。にじうおがタコのアドバイス(というか指示)をそのマンマ受け入れていたり、にじうおの幸せの基準が、自己 にあるのではなく、他者に受け入れられたと言うことだけに根ざしているのも危険な感じがする。

また、他の魚たちの立場が正当化されているような書かれ方なので、自分たちと違う姿の者は無視してもよい、或は美しい者を持っている者がいたらそれ にたかってもよい。富は公平に分配されるべきであり、そうするように圧力をかけるのは正義であり、富を分配しない者はコミュニティからはじかれるのも当然 である、といったようなメッセージも伝わってくる。なんとういうか、共産主義的。

これはシェアの話ではない。身体についているきらきらの鱗は、持って産まれたものだ。それはシェアするものじゃなくて、尊重するものだと思う。にじうおにはにじうおの美しい鱗があるが、他の魚には他の魚のいいものがあるだろう。

私が娘に教えたい幸せとは、こういうことじゃないな、と、ブログにかきながら再確認した。

アマゾンのレビューでかなり好評かなのが驚きだった。amazon.comの方をみると、★5つと★ひとつが同じくらいいるので、英語圏では評価がまっぷたつに分かれているようだ。

贈ってくれた方には申し訳ないが、我が家ではお蔵入りにします。